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2020 年度 実施状況報告書

遺伝性角化異常症における新規細菌叢特異的治療開発への戦略

研究課題

研究課題/領域番号 20K17316
研究機関名古屋大学

研究代表者

村瀬 千晶  名古屋大学, 医学部附属病院, 学振特別研究員(RPD) (10846611)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード遺伝性角化異常症 / 皮膚細菌叢 / 皮膚バリア機能障害
研究実績の概要

外界から皮膚を守る皮膚バリア機能に生まれつき障害を有する、遺伝性角化異常症において、皮膚細菌叢(マイクロバイオーム)が与える影響に着目した。
遺伝性角化異常症患者の皮膚では、健常人の皮膚と比較して、バリア機能の障害から皮膚炎を起こしやすく、細菌の侵入が容易となるため、伝染性膿痂疹や蜂窩織炎、単純ヘルペス感染症など、様々な皮膚感染症に罹患しやすい。本研究では遺伝性角化異常症において、16S rRNA解析の手法を用いて皮膚マイクロバイオームの解析を行うことで、細菌叢特異的治療法の開発に直結する基礎的データを得ることを目的とする。
過去に当科で遺伝子変異を同定し、遺伝子診断がついている遺伝性角化異常症患者を中心に、検体を採取する。採取した検体は速やかに冷却し、DNAを抽出する。マイクロバイオームの解析方法としては、微生物間で高度に保存されている領域16S rRNA遺伝子の16Sアンプリコンの配列データをシークエンスする。次世代シーケンサーはMiSeqを用いて、シークエンスを行う。
本年度は、適切な検体採取と解析方法を確立するため、遺伝性角化異常症のうち、まずは少数の病型において皮膚マイクロバイオームの解析を行った。採取した皮膚常在菌の検体につき、様々なDNA抽出方法での条件検討を行いて、最も効率的に皮膚常在細菌叢のDNAが得られる条件検討を行った。得られたDNAを用いて、実際にMiSeqで16S rRNA解析を行い、個々の症例における菌叢解析の結果を集積した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度の計画である、適切な検体採取方法とDNA抽出方法を確立し、少数の病型における16Sr RNA解析の結果を得ることができたため。

今後の研究の推進方策

次年度は、検体採取を行う遺伝性角化異常症患者の症例数を増やし、皮膚マイクロバイオーム解析を行う。
遺伝性角化異常症のそれぞれの病型ごとに複数症例からの検体採取を行うことで、病型ごとの皮膚マイクロバイオームを解析し、比較検討する。また、それぞれの症例における、臨床経過の違いなどによる、皮膚マイクロバイオーム解析の結果を比較する。

次年度使用額が生じた理由

本年度は、新型コロナウイルスによる移動制限の影響で、国際会議を含む会議や研究会の現地参加が無くなり、オンラインの参加のみとなったため、想定していた旅費を使用しなかった。
また、初年度のDNA抽出や解析の条件検討が順調に進み、やり直しが生じず試薬代などが最低限で実験を行うことができたため、予備の試薬代がかからなかった。
初年度に解析を行った症例数は想定よりやや少なかったため、次年度さらに多数の症例の解析を行うことで、使用額を適切に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 名古屋大学大学院医学系研究科皮膚科学分野のホームページ

    • URL

      https://www.med.nagoya-u.ac.jp/derma/

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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