研究課題/領域番号 |
20K17332
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 奈津子 産業医科大学, 医学部, 助教 (70745405)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 骨粗鬆症 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は皮膚と骨との免疫を介したクロストークを明らかにすることにある。 これまでに、アトピー性皮膚炎や乾癬において、骨密度の低下や骨粗鬆症の発症リスクが高くなるという疫学調査の報告がなされている。そうした背景から、「皮膚と骨との間にクロストークがあるのではないか?」、と考えられた。その疑問を明らかにするため、申請者の得意分野である免疫学的解析を用いて、その関係性を明らかにしようと考えている。現在までに、皮膚疾患のモデルマウスなどを用いた骨密度の低下を検証した検討はなく、免疫応答について詳細に検討を行った報告はない。モデルマウスを用いて検討することで、皮膚の重症度と骨密度の低下が相関するか、治療によってそれが改善するかを検討することとしていた。 そこで、まず、乾癬モデルマウスを作成するため、週3回、4週間にわたってイミキモドをマウスの背部に塗布した。皮膚の炎症状態を、紅斑・浸潤・落屑をスコアとして合計し、体重測定を行い、乾癬モデルマウスとして用いることとし、塗布開始前と、4週間後にmicro CTを撮影した。 その結果、大腿骨遠位端の骨密度が低下していることが確認された。 今後、その結果を踏まえ、モデルマウスの皮膚および骨・リンパ節などからmRNAを抽出し、免疫応答の詳細なメカニズムを解明し、In vitro実験にて皮膚と骨細胞に影響を及ぼすサイトカインなどを特定する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の流行により、2020年4-6月に実験が行えなかった期間などがあり、当初よりも実験が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
モデルマウスの皮膚および骨・リンパ節などからmRNAを抽出し、免疫応答の詳細なメカニズムを解明し、In vitro実験にて皮膚と骨細胞に影響を及ぼすサイトカインなどを特定する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の流行により実験計画は遅れており、そのため予算と異なった。今後、モデルマウスの皮膚および骨・リンパ節などからmRNAを抽出し、免疫応答の詳細なメカニズムを解明し、In vitro実験にて皮膚と骨細胞に影響を及ぼすサイトカインなどを特定する予定である。
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