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2022 年度 実施状況報告書

Ah受容体が進行期皮膚扁平上皮癌へ与える影響の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20K17336
研究機関東北大学

研究代表者

日高 高徳  東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (80781575)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードAh受容体 / 皮膚扁平上皮癌
研究実績の概要

今年度はマウス個体での皮膚扁平上皮癌に対する表皮のAryl hydrocarbon receptor (AhR) の役割を調べるため、DMBA(7,12-dimethylbenz(a)anthracene)-TPA(12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate)外用による皮膚扁平上皮癌発がんモデルをAhRflox/floxマウスおよびAhRflox/flox::Ketain5-CreERT2マウスを用いて実施した。結果、過去の報告と一致してDMBA-TPA外用12週で、両遺伝子型のマウスにおいて外用部位である背部皮膚に皮膚扁平上皮癌の形成を示唆する著名な表皮肥厚や小結節の形成が確認された。そこでタモキシフェン投与によりAhRflox/flox::Ketain5-CreERT2マウスにおいて表皮AhRのノックダウンを試みたところ、AhRflox/floxマウスでは明らかな変化は観察されなかったものの、AhRflox/flox::Ketain5-CreERT2マウスでは病変が縮小する傾向にあった(各遺伝子型n=2)。また、背部皮膚のHE染色標本を作成し評価したところ、AhRflox/floxマウスでは表皮に核異形を伴う皮膚扁平上皮癌細胞を多く認めたものの、AhRflox/flox::Ketain5-CreERT2マウスでは核異形の程度が減少していた。以上からAhRは皮膚扁平上皮癌のがんとしての形質の維持に重要な分子であることがマウス個体レベルで確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究課題はマウスを用い長期的な介入が必要な課題であるが、今年度までに本学の動物実験施設の改装作業が実施されていたために、長期的な介入が十分に計画および実行することが困難であった。加えて自身の異動も重なったことで、新たな環境での実験体制の構築に時間を要した。

今後の研究の推進方策

来年度は始めに、今年度に得られた結果であるAhRが皮膚扁平上皮癌の核異形に関与するという観察が再現可能な事象であるかを確認する (AhRflox/floxマウス、AhRflox/flox::Ketain5-CreERT2マウス、各群n=4)。結果として表現型が再現されれば、核異形は遺伝子転写制御に影響を及ぼすことが想定されるため、皮膚扁平上皮癌の腫瘍巣を用いてRNAseqを実施し、AhRflox/floxマウス群とAhRflox/flox::Ketain5-CreERT2マウス群間で比較を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

前述の通り、動物実験施設の改装および研究代表者の異動に伴い、本研究課題の遂行が計画通りに進まなかった。結果、本年度実施できなかった実験にかかる費用を翌年度へ繰り越しとさせていただいたため。

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公開日: 2023-12-25  

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