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2023 年度 実施状況報告書

表皮融解性魚鱗癬の皮膚における機械的ストレス受容機構と角化異常の機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K17358
研究機関自治医科大学

研究代表者

木村 未歩  自治医科大学, 医学部, リサーチ・レジデント (00839920)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード表皮融解性魚鱗癬 / ケラチン1 / 先天性遺伝子疾患 / 角化異常 / 機械的ストレス / KRT1
研究実績の概要

患者の表皮を用いてデスモゾーム、アドヘレンスジャンクション、細胞内輸送、ユビキチンタンパクを免疫染色で確認したところ、どれも発現パターンが正常皮膚とは異なっており、KRT1の変異が、他の細胞内機構にも大きく影響していることがわかった。
患者の皮膚のみでは調べられない、分子動向をさらに詳しく調べるために、表皮融解性魚鱗癬患者で同定された変異KRT1を発現するアデノウィルスを作製し、ヒト培養細胞に感染させ正常KRT1と変異KRT1を発現させた。変異KRT1を発現した培養細胞ではケラチンフィラメントの凝集が見られ、細胞接着タンパク質の発現パターンが患者皮膚組織と同じような発現パターンを示した。また、細胞内輸送に関わるAAGABやEGFR、ユビキチン化タンパク質など様々なタンパク質の発現強度や局在が正常KRT1発現細胞とは異なっていた。 変異KRT1を発現した細胞では発現させたGFPタグ付きKRT1の発現の消失が早かったことから、変異タンパクを分解するプロテアソームの増加や、分解タンパク質に印をつけるユビキチンの増加にも変化があると予想している。
また、KRT1に患者と同じ変異を導入したマウスの作製を継続している。マウスの生存率がとても低いためなかなか目的のマウスが得られないでいる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

培養細胞での実験は進みつつあるが、マウスの作製がうまくいっていないためvivoの実験が進んでいないため。

今後の研究の推進方策

染色の結果から細胞内輸送、ユビキチン化、細胞接着構成タンパク質の発現に異常が生じることがわかった。患者の電顕写真や免疫染色の結果からミトコンドリアやオートファジー、プロテアソームも正常とは異なるのではないかと予想している。今後はタンパク質の阻害剤や促進剤を用いて何をターゲットにすればより正常に近い状態になるのかを検討していく。

次年度使用額が生じた理由

マウスの作製が予定通り行かなかったため、マウス管理費に充てた資金が消化できなかったため。実験医学センターにマウスの作製を依頼しているため、今後も人工授精にかかる費用等科研費から補填していく。

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公開日: 2024-12-25  

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