肺癌細胞株3LLを皮下移植した担癌モデルを作製した。3LL腫瘍内にポドプラニン陽性癌関連線維芽細胞の存在を免疫組織化学染色で確認した。腫瘍組織より細胞外小胞を回収・解析した所、マイクロベジクル・エクソソーム両分画にポドプラニンの存在を認めた。結果として、3LL担癌マウスは血漿中のポドプラニン濃度の上昇と、塩化鉄傷害後の大腿静脈血管閉塞時間の短縮が起こった。 3LL担癌マウスに抗CLEC-2療法を行うと、コントロール群に比べて血管閉塞時間が優位に延長した。一方、非担癌状態では抗CLEC-2療法による効果は認められなかった。したがって、腫瘍組織の癌関連線維芽細胞から放出されるポドプラニン陽性細胞外小胞は血中を循環し、静脈血栓症をCLEC-2依存的に増悪する事がわかった。
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