“炎症と造血”は造血分野において注目されている領域であり、老化に伴い増加する炎症疾患との関連だけでなく生体防御や組織修復における機能の観点からも注目を集めている分野である。本研究では炎症の起こる場である血液の幹細胞(造血幹細胞)をモデルとして、これまで明らかにされてこなかった腸炎下における腸内細菌依存的な造血応答制御を分子レベルで明らかにするとともに、腸管関連組織で増加した前駆細胞ならびに骨髄球が最終的には組織修復に関与することを明らかにした。 本研究課題から得られた研究成果は造血における新たな概念を提示したという点において、基礎医学への貢献は大きく学術的意義ならびに社会的意義の高い研究である。
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