研究課題
造血器悪性腫瘍及び難治性の造血障害の唯一の根治的治療である同種造血幹細胞移植(HSCT) の深刻な初期合併症に、生着不全 (graft failure, GF) 及び移植片機能不全 (poor graft function, PGF) が挙げられる。GF及びPGFのリスク因子にはHLA適合度、低CD34+細胞数、ウイルス感染等が挙げられるが、GF及びPGFの特徴、発生機序及びリスク因子についての詳細は複雑で、未だに明らかではない。受容体型チロシンキナーゼTAM (Tyro3, Axl, Mer) は、プロテインCの補因子であるgrowth arrest-specific gene 6 (Gas6) をリガンドとし、自己免疫疾患、血栓性疾患の病態に関与する。我々は同種HSCTマウスモデルで、Merの選択的阻害剤であるUNC2250投与群が、対照群と比較して有意にドナー細胞の生着率を増加させる結果を得た。本研究はHSCT後のGF及びPGFの分子機序にGas6-TAMシグナルが重要な役割を担うことを明らかにし、GF及びPGFの新規予測マーカーの探索、GF及びPGFの予防や新規治療候補の発見を目的とする。
2: おおむね順調に進展している
計画通りに進んでいるため
HSCT後に発症するGF及びPGFの新たな予測バイオマーカーを発見する
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)
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