研究課題
若手研究
HDAC阻害剤耐性細胞において、いくつかの遺伝子発現変化を見出しており、特にJAK/STAT経路の活性化や、サイトカイン関連シグナルの異常、抗アポトーシス関連遺伝子の発現変化などが挙げられる。HDAC阻害剤耐性細胞の脆弱性を明らかにするため、薬剤スクリーニングを用いた表現型スクリーニングを行った。その中で、プロテアソーム阻害剤であるボルテゾミブへの顕著な感受性亢進を見出した。これらの知見はHDAC阻害剤に対して耐性を獲得したT細胞リンパ腫治療戦略の確立に重要な示唆をもたらすものと思われる。
血液内科
HDAC阻害剤への耐性機序として、gp130を介したJAK/STAT経路活性化や、ヒストンアセチル化抑制などを見出した。これらの知見から、gp130阻害あるいはJAK/STAT経路の阻害、そして抑制されたヒストンアセチル化を回復させるプロテアソーム阻害など、いくつかの新たな治療標的を見出すことができた。これらの知見は、HDAC阻害剤治療後の再発難治性T細胞リンパ腫に対する新たな治療戦略構築のための重要な根拠となりうると考える。