腸内細菌叢の異常は、造血幹細胞移植領域で様々な合併症や移植予後との関連が報告されている。我々は経時的に同種造血幹細胞移植患者の便検体を採取し、移植後の腸内細菌叢の異常と合併症との関連を解析した。2020年に我々は、同種移植患者では1年以上の経過で腸内細菌叢の異常が持続していること、移植後1か月目の腸球菌の相対割合が移植後生存率に関連していることを報告した。2021年には東京都立駒込病院血液内科と共同で、腸内細菌叢異常と慢性GVHDの関連を報告した。2022年に、移植後長期生存者における腸内細菌叢の持続的な異常と合併症の関連を報告した。
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