• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

同種移植後、液性免疫回復の評価と適切な指標の構築

研究課題

研究課題/領域番号 20K17406
研究機関自治医科大学

研究代表者

木村 俊一  自治医科大学, 医学部, 講師 (70623031)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードBCRレパトア / 液性免疫 / 同種移植 / 肺炎球菌 / インフルエンザ桿菌
研究実績の概要

同種移植後の液性免疫再構築をB細胞受容体(BCR)の免疫グロブリン重鎖(IgH)の多様性に焦点を当てて研究を進めている。特に、BCRレパトアと同種移植後の液性免疫不全で問題となる莢膜を有する細菌(肺炎球菌やインフルエンザ桿菌)による感染症との関連について検討を行っている。当センターでの同種移植後に莢膜を有する細菌の感染症を発症した10例(患者群)と患者背景を合わせた感染症非発症群(コントロール群)10例を研究対象として選定し、BCRレパトアの解析を進めた。患者群は移植後約半年で感染症を発症した症例が4例、約1年で発症した症例が6例であり、それぞれ感染症発症時のBCRレパトアの解析を行い、計10件の解析を実施した。コントロール群は、移植後半年、1年で1症例あたり2ポイントでBCRレパトアの解析を実施したが、そのうち2ポイントで適切な検体が得られず、計18件の解析となった。
患者群の発症時、コントロール群の6ヵ月、コントロール群の1年で多様性指数の中央値を比較すると、Shannon-Weaer index 7.89 vs. 8.19 vs. 8.43、Inv. Simpson's index 578 vs. 669 vs. 1249、Pielou's evenness 0.768 vs. 0.784 vs. 0.804、DE50 0.012 vs. 0.014 vs. 0.021 と有意な差はみられなかった。現在、IgHV遺伝子、IgHJ遺伝子の解析結果を詳細に分析し、患者群に特徴的な遺伝子がみられるか、検討を進めている。また、免疫グロブリンの絶対量やリンパ球サブセット解析など、他の液性免疫能の指標とBCRレパトアとの関連性についても検討を進めるため、データの収集を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コントロール群で当初の計画よりもやや少ない検体数となったため、追加の検査の必要性について検討している。また、患者群のBCR IgHV遺伝子、IgHJ遺伝子に特徴的な遺伝子がみられるかを検証するため、症例ごとのBCRレパトアを詳細に分析することが必要であり、時間を要している。

今後の研究の推進方策

実施した検査でIgHV遺伝子、IgHJ遺伝子の解析結果を詳細に分析し、患者群に特徴的な遺伝子がみられるか、検討を進めていく。免疫グロブリンの絶対量やリンパ球サブセット解析など、他の液性免疫能の指標とBCRレパトアとの関連性についても検討を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初の計画よりも進行がやや遅れているため、次年度まで研究を延長する。必要に応じて追加でBCRレパトア解析を実施し、検査結果の解析、研究成果の発表のため、研究費を使用する予定である。

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi