研究課題/領域番号 |
20K17409
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
川井 英嗣 東海大学, 医学部, 助教 (70749944)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | KMT2D / SRPK1 |
研究実績の概要 |
COMPASS複合体を形成するKMT2D、UTXに対する合成致死遺伝子を同定し、治療につなげることが本研究の目的である。悪性リンパ腫または多発性骨髄腫細胞株にcas9を発現させた後、各遺伝子のノックアウト細胞(KO)を作成した。CRISPR/Cas9系を利用し、19000以上の遺伝子を網羅するレンチウイルスライブラリーを野生型およびKO型に感染させた。DNAを回収し、次世代シーケンサーを用いて解析し、リード数を比較した。 KMT2Dについては、RNAシーケンスの結果を合わせ、279遺伝子をピックアップした。阻害剤がある遺伝子を選び、実際に阻害剤のIC50を比較した。KMT2D-WT型と、KO型において、阻害剤のIC50を比較し、SRPK1阻害剤で2群間で有意差がみられた。in vitroでの薬剤感受性、細胞増殖をみる実験から、SRPK1阻害剤を暴露させると、KMT2D-KO型でより効果が表れた。 次に、SRPK1の3種類のsgRNAを含むウイルス液をそれぞれ作成し、KMT2D-WT型と、KO型細胞にそれぞれ感染させた。KMT2D-KO型細胞では、WTと比較し、明らかに細胞増殖能が抑制された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
UTXについて、ある阻害剤が、UTX-WT型、UTX-KO型細胞で、感受性の違いを示していたが、sgRNAのウイルスを感染させる実験で、有意差を証明できず、中断となってしまった。 KMT2Dについて、上記のように実験を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
in vivoにおいて、Akalucを感染させたKMT2D-WT型、KMT2D-KO型の細胞を準備できており、NOGマウスに移植し、それぞれvehicle投与群、SRPK1阻害剤投与群に分け2週間の投与を行い、生存曲線、およびIVISによる腫瘍量の比較を行う。 一方、なぜSRPK1阻害剤がKMT2D-KO型に効果があるのか、メカニズム解析を進めたい。リン酸化マッピングを行い、キナーゼのリン酸化に違いがあるのかどうか解析したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会がオンライン開催になったことで、旅費が不要となった。また、人件費・謝金の部分で、英語論文校閲費を予備として予定していたが、学会発表や論文発表がなく、繰り越しとなった。これまでの結果より、次年度にvitroで使用する試薬や消耗品、動物実験に関する動物飼育費や、IVISなど実験機器の使用費、投与する薬剤費等に繰越金を使用する予定である。
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