研究課題
高齢発症の関節リウマチ(EORA)は、若年発症の関節リウマチ(YORA)と比較して、より高い疾患活動性と進行性の関節破壊に特徴づけられるが、根底にある免疫学的メカニズムは未解明であった。 制御性 T 細胞 (Treg) は免疫抑制性 T 細胞サブセットであり、RA では CD4+ Treg が欠損、または機能不全であることは報告されていたが、CD8 + Treg は RA で十分に調べられていなかった。本研究では、EORA における CD8+ Treg の役割を特定することを目的とした。合計 40 人の患者 (EORA、n = 17; YORA、n = 23) が横断的に登録され、疾患活動性と治療は、2 つのグループ間で同等であったが、IL-1β、TNFα、インターフェロン (IFN)-γ、IL-2、および IL-10 を含む複数のサイトカインのレベルは、EORA で著明に上昇していた。 CD4+ Treg の数はグループ間で差は認めなかったが (P = 0.37)、CD8+ Treg の数は EORA で有意に減少していた (P = 0.0033)。 CD8+ Treg の数は、血漿マトリックスメタロプロテアーゼ (MMP)-3 レベルと逆相関していた (r = -0.3331、P = 0.036)。 我々の研究結果により、EORA患者ではCD8 + Tregが内因性に欠乏している可能性、そしてそれが滑膜炎を抑制できずに、過剰なMMP-3放出につながっている可能性が示唆された。CD8+ Treg を回復させる治療アプローチが、EORA の新たな治療戦略となりうる可能性が示された。
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Journal of Clinical Medicine
巻: 12(6) ページ: 2342
10.3390/jcm12062342.
https://osaka-cu-rheum.jp/