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2020 年度 実施状況報告書

高安動脈炎における新規自己抗体の病原性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K17419
研究機関東北大学

研究代表者

武藤 智之  東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (10868235)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード高安動脈炎 / プロテインC受容体
研究実績の概要

1. EPCRとSR-BIのTAK患者大血管組織における発現解析、2. In vitroにおける血管内皮細胞や免疫担当細胞に対する抗EPCR抗体 抗SR-BI抗体の病態形成能におけるシグナル伝達の解明を目的とした検討を行った。
1に関して、患者の大血管組織におけるEPCRとSR-BIの発現を、蛍光免疫染色法にて検討したが、ヒト大血管組織においてはIgGの非特異的結合を認め、蛍光免疫染色でのEPCR・SR-BIの検出は困難と考えられた。また、高安動脈炎患者検体の多くは、進行し大動脈瘤形成あるいは大動脈解離を来した病変であり、病初期の発現についての評価が困難であった。化学染色では血管内皮細胞に主に発現を認め、特に微小血管の血管内皮細胞における発現を認めた。
2に対しては、ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)をTNFαにて活性化させ、活性化プロテインCの添加により、プロテインC受容体が関連する細胞内シグナリングがどのような役割を果たしているかの検討を行った。検体よりRNAを抽出し、PCRアレイを用いて炎症シグナルの解析を行ったところ、活性化プロテインCの添加した細胞では特に接着分子やケモカイン受容体の発現の低下が認められた。これらの結果は、血管内皮細胞の活性化が抑制されている事を意味すると考えられるが、接着分子やケモカイン受容体の制御は全く同一ではなく、複数の細胞伝達系が関与する事が考えられた。それぞれの細胞伝達系に対するEPCRの作用や、EPCRの作用に対する自己抗体の作用につき、検討を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

EPCRによる血管内皮細胞における機能解析は進んでいるが、患者検体を用いた検討は非特異的結合の問題もあり難しい。また、手術症例の検体を使用するため、進行期の病理所見であるため、より初期の検体での評価が望ましい。

今後の研究の推進方策

血管内皮細胞における接着分子やケモカイン受容体発現の変化は、血管内からの免疫細胞の移動に関わる事が考えられる。そのため、抗EPCR抗体の存在により血管内外への免疫細胞の移動に変化を及ぼす可能性が考慮される。どのようにこれらの機構が制御され、どのように自己抗体が働くのかを検討したいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

既存の試料や材料を用いていたため、次年度使用額が生じた。次年度以降は試薬の購入を含めての使用を予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] One after another retinal involvement in lupus2020

    • 著者名/発表者名
      Mutoh Tomoyuki, Shirota Yuko, Ito Azusa, Fujii Hiroshi, Ishii Tomonori, Nakazawa Toru, Harigae Hideo
    • 雑誌名

      European Journal of Rheumatology

      巻: Sep ページ: 3

    • DOI

      10.5152/eurjrheum.2020.20022

  • [学会発表] Endothelial protein C receptor and scavenger receptor class B type 1 negatively regulate endothelial activation and represent novel autoantigens in Takayasu arteritis2020

    • 著者名/発表者名
      Tsuyoshi Shirai, Tomoyuki Mutoh, Hiroshi Fujii, Tomonori Ishii, Hideo Harigae
    • 学会等名
      EULAR2020
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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