研究課題/領域番号 |
20K17419
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
武藤 智之 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (10868235)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 高安動脈炎 / プロテインC受容体 |
研究実績の概要 |
1. 抗EPCR抗体と抗SR-BI抗体に対する組み換え蛋白による阻止試験、2. 抗EPCR抗体と抗SR-BI抗体のエピトープの探索、3. in vitroにおける血管内皮細胞や免疫担当細胞に対する抗EPCR抗体 抗SR-BI抗体の病態形成能におけるシグナル伝達の検討を行った。 1と2に関しては、リコンビナント蛋白を用いて、EPCRあるいはSRBI強制発現細胞に対する患者血清由来IgGの反応が阻止されるかの検討を行った。抗EPCR抗体、抗SR-BI抗体の測定系として、各蛋白の強制発現細胞を用いているが、より簡便なアッセイでの測定方法が臨床応用するには必要である。そのためELISAによる検出を目的とした検討を行ったが、リコンビナント蛋白を使用しての検出系の作成が難航している。これには、両蛋白が膜蛋白であることから、高次構造あるいは蛋白修飾が検出に寄与している可能性が考えられる。膜蛋白の検出系を作成するために、ルシフェラーゼ活性を応用した液性検出系の開発をおこなっている。 3に対しては、ヒト臍帯静脈血管内皮細胞、ヒト大動脈血管内皮細胞をTNFαにて活性化させ、活性化プロテインCの添加により、プロテインC受容体が関連する細胞内シグナリングがどのような役割を果たしているかの検討を継続した。特に接着分子やケモカイン受容体の発現の低下が認められたが、免疫担当細胞の更なる遊走や一次防御に関わる細胞間接着に対する作用への干渉も考慮され、解析を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
抗EPCR抗体と抗SR-BI抗体につき、現在行っているcell-based assayから、より簡便なプレートアッセイの作成を行っているが、単純にリコンビナント蛋白の使用では作成が困難である。
|
今後の研究の推進方策 |
プレートによる検出系ではなく、ルシフェラーゼ活性を応用した液性検出系の検討を行う。また、抗体の認識に必要な高次構造あるいは蛋白修飾を解明する事で、病的意義の検討につながると考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
既存の試料や材料を用いていたため、次年度使用額が生じた。次年度以降も試薬の購入を含めての使用を予定している。
|