研究課題/領域番号 |
20K17430
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
竹下 勝 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (10571135)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | シェーグレン症候群 |
研究実績の概要 |
本研究では抗原特異性とシングルセル遺伝子発現解析を統合的に解析することで自己免疫病態を正確に捕捉し、根治療法につながる知見を得ることを目的としている。自己免疫疾患の中で関節リウマチに次いで患者数も多い点や病変組織の供給体制が整っている点を考慮し、対象疾患はシェーグレン症候群を主とし、その他の疾患も入手可能であれば解析対象と考えている。 現状、シェーグレン症候群のサンプル収集が先行して進んでおり、シェーグレン症候群・およびコントロール疾患患者の唾液腺より、Smart-seq2法を用いて腺上皮細胞を200細胞以上シングルセルソートし、NGSでの解析を実施した。それぞれの細胞で高発現している遺伝子を文献的にアノテーションし、腺房細胞、導管細胞、幹細胞が含まれている事を確認した。さらに、それぞれの細胞のマーカーについて免疫染色で確認した。各細胞の、疾患と非疾患で発現遺伝子の差の解析を行った所、複数のパスウェイで差がある事を認めた。 上記とは別に、同様の解析を多数の細胞を処理可能なクロミウムコントローラーを使用して開始した。こちらでは腺上皮細胞だけではなく、浸潤したリンパ球等の免疫担当細胞も同時に処理を行いデータを取得している。これまでの症例でサンプル処理条件を確定し、一部の検体についてはデータが無事取得できている事を確認した。今後更にサンプル収集を進め、疾患・非疾患での解析を行う予定としている。 その他の疾患のサンプルは時折得られるため、解析処理を行いつつ、まとまったサンプル数が得られたら解析を開始する予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りの進捗の為。
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今後の研究の推進方策 |
先行する検体を用いたものでは結果の解釈やバリデーション実験を行い、残りの課題については順調にサンプル収集を進めている。計画の通り進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
ごくわずかな金額で、これで購入できる必要な物品がなかったため。
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