研究課題/領域番号 |
20K17433
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
櫻井 恵一 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (50805273)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 自己免疫疾患 / T細胞 / TCRレパトア / エピゲノム / RNA-seq |
研究実績の概要 |
自己免疫疾患においては遺伝的要素と、環境要素がその発症に関連し、さらに免疫の特徴として抗原の記憶がなされる。そのため、一度発症してしまうと治療を継続しない限りは再燃してしまうことが多い。しかし、近年生物学的製剤を初めとする薬物療法の進歩により、薬剤を中止し再燃しない期間を維持することが出来るようになってきた。この期間も患者毎に異なり、また現状では再燃時にどのような分子機構が関与しているかは不明である。今回はそれらを調べるため、遺伝子の発現や遺伝子の発現しやすさ、抗原について合わせて検討していくことを狙っている。これらの検討を同時に行う為には実験手順が肝であり、その為の予備実験を行っていった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍のため、納入業者が出入り禁止になるなどの事態があり、十分な打ち合わせが困難であったこともあり、肝心のシークエンサーの入手や解析用のコンピュータ(研究室の別予算での購入)などが遅れるに至った。加えて、一部の試薬がコロナ禍で出荷が予想より時間がかかるなどの問題があり、予定より遅れるに至った。 また課題を行う研究者本人も、COVID対応チームに行かざるを得ないおよび、対応チームに行ってしまった他の同僚の穴埋めをせざるを得ないなどの予想外のタスクが増えてしまい、実験に避ける時間が極めて少なくなってしまう事態が生じてしまった。 結果としてCOVID感染症に振り回されてしまった形とはなってしまったが、予定より明らかに実験の進捗は遅れており、2021年度遅れを取り戻す予定で計画している。幸いここ数ヶ月の試薬の納入についてはスムーズに経過しており、本年度は遅れを十分に挽回できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、実験推進の肝であるシークエンサーの入手および使用する試薬の検討を行い、プロトコルの早期の確立を目指す。 その後は基本的には患者の試料を収集し、データを解析する段階に入るため、ある程度は自動的に遂行可能であると考えている。 最後の1年は統計解析に充てる予定であるが、研究室の別予算にて購入したPCが導入されたため、最初の数例で予備的に解析を本年度中に解析し、可能な限りこちらも自動化出来るようスクリプトを完成させることを目標としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍による納入業者との打ち合わせ不足や実際の納入までの期間が長引くなどの事態、および実施者本人がコロナ禍によって臨床業務が増えたことなどにより実験に割ける時間が少なくなってしまった。そのため、試薬については使用期限なども考慮し、実際に遂行できる最小の発注としたこと、および思いのほか、業者によっては試供品サンプルを提供してくださったことで支出を削減できたことなどの幸運もあり、全体としてかなり支出が予定額より少なくなった。しかし、まだ予備実験が完成していないこともあり本年度にずれ込んで執行していく予定としている。
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