研究課題/領域番号 |
20K17436
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター) |
研究代表者 |
神山 智 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 先端技術開発研究部, 研究員 (20626783)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | T細胞 / 気管支喘息 / アレルギー反応 |
研究成果の概要 |
治験中および承認済みの既知の分子標的治療薬より選出した候補に、遅発型喘息反応を誘発するT細胞クローンと好酸球炎症を誘発するT細胞クローンの活性抑制が確認された。これらはグルココルチコイドと相加的に抑制効果が働くことを明らかにした。しかし、動物モデルにおける細胞診断として、Th2の肺胞内好酸球浸潤は大きく抑制されたが、Th1クローンの好中球浸潤抑制は極めて限定的だった。また、Th1移入マウスモデルは、いずれも有意な呼吸指標の改善を示さなかった。細胞指標および呼吸指標において効果は限定的と言える。これらからTh1の抗原提示に依存しない生存性が喘息の難治化につながっている可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
分子生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国において、成人人口の3~4%の有病率とされる喘息は、新たな治療薬やガイドラインの改定が奏功しつつある一方、依然、年間おそよ2000人の死者をもたらす重大な疾患である。一方で、我が国で承認された新薬の15%は腫瘍用薬とその他の代謝性医薬品すなわちがん治療の医薬である。抗腫瘍の分子標的治療薬には、喘息と機序の一部を共通する細胞表面および細胞内シグナル経路ターゲットを持つものも含まれる。 我々は、複合的な喘息の病因・病態の中でもTh1細胞がマウス喘息モデルで難治性かつ重症化する性質を報告している。動物モデルから喘息治療への有効性を明らかにし、重症喘息治療への適応の足掛かりとなることが期待できる。
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