研究実績の概要 |
2021年度はこれまでマウスおよび細胞株で得られた研究業績(S1pr1-3'UTRをサブクローニングしたpmirGLO dual luciferase miRNA Target expression vectorをトランスフェクションしたヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)でのルシフェラーゼ活性はmiR-223-3p mimicによって抑制された。また miR-223-3p mimicはEL4 mouse T cell line(EL4)のS1pr1発現を有意に減少させた。Mir223 knockout lupus-prone mice (Mir223-/-Faslpr/lpr)を作成し、44 週齢での表現型の差異を解析したところ、Mir223-/-Faslpr/lprでは、Mir223+/+Faslpr/lprに比較し、脾臓CD4+T細胞のS1pr1が有意に増加し、その糸球体への浸潤を有意に認め、尿蛋白および糸球体スコアの増悪傾向を認めた。)を基に, ヒトでも検討を行った。 SLE初発治療前患者15名と健常者8名の末梢血CD4陽性T細胞よりRNAを抽出し、S1PR1 mRNAおよびmiR-223-3pの発現量をreal-time PCR法で定量したところ、SLE患者で健常者に比較し、前者は有意な発現低下を認め、後者は増加傾向を認めた。また、SLE患者の臨床所見とこれらの発現量との関連を検討したところ、miR223-3pの発現は皮疹のある患者ではない患者と比較し有意に低下を認め、胸膜炎のある患者ではない患者と比較し有意に上昇を認めた。S1PR1 mRNAの発現は皮疹のある患者ではない患者と比較し有意に上昇を認めた。
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