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2020 年度 実施状況報告書

MDA5の発現様式に着目した、皮膚筋炎に伴う急速進行性間質性肺疾患の発症機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K17448
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

木田 節  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (20848501)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードMDA5 / 皮膚筋炎 / 間質性肺炎 / 好中球
研究実績の概要

Melanoma differential gene 5 (MDA5)に対する特異的自己抗体が陽性の皮膚筋炎は、治療抵抗性の急速進行性間質性肺疾患(rapidly progressive interstitial lung disease; RP-ILD)を高頻度に合併する。本研究において、我々はこの自己抗体の対応抗原であるMDA5の発現様式に着目しており、抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎に伴うRP-ILDの発症機構を解明することを目的として実験を進めている。
2020年度はマウスの急性肺傷害モデルにおけるMDA5の発現上昇の確認と、その発現細胞の同定を行った。リポポリサッカライドの気管内投与によりマウスに急性肺傷害を誘導し、肺に浸潤する炎症細胞を回収後、磁気ビーズを用いて各分画に単離し、MDA5のmRNA発現を比較した。同時に、免疫組織化学やフローサイトメトリーを用いて、MDA5の蛋白発現について解析を行った。以上より、急性肺傷害においてMDA5の発現が亢進しており、好中球がその産生細胞の1つであることを確認した。現在、MDA5を発現した好中球の機能的特徴や、産生されたMDA5の局在について検証を進めている。
今後は、in vitroの実験としてヒトの末梢血好中球ないし白血病細胞株HL-60(レチノイン酸により分化誘導することで成熟好中球を得ることができる)を用いて、MDA5発現の機序、およびMDA5が抗原として細胞外に提示されるメカニズムについて検討する。また、抗MDA5抗体を保有するマウスを作成し、MDA5に対する抗原抗体反応がRP-ILDの病態形成に関与するかについての解析も行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、上半期は新規の実験計画の開始が難しかったため。また、同じ理由により、患者由来の気管支肺胞洗浄液検体の確保はかなり困難な状況であった。

今後の研究の推進方策

現在、動物実験および培養細胞を用いた実験は感染対策を行った上で実行可能であり、こちらを優先することとし、好中球がMDA5を発現するメカニズム、および発現したMDA5のふるまい、とくに細胞外に抗原として提示される機序についての検証を進める方針である。

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公開日: 2021-12-27  

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