研究実績の概要 |
入力した腎病理スコアとプロテオームタンパクについての相関性解析、クラスター解析やシグナルパスウェイ解析を行い、各種腎病理で観察される病態と関連するタンパクについてさらに検討を進めた。またこれらのタンパクについて、validation cohortでも結果を確認した。また、プロテオーム解析で得られた結果についてELISAでも同様の結果が得られることを確認した。商業ベースで外注した一部項目との相関性も確認済である。既報で報告のある分子との相関に加え、新規分子についても多くの相関を見出した。血清での増加を尿が反映しているかの評価のために血清サンプルとの比較も行った。得られたデータについて、ループス腎炎と糖尿病性腎症における差異を確認し、疾患特異性についても確認できた。また、病理所見との相関性を補強するためにループス腎炎で一般的に用いられ ているSelectivity indexでの相関性の確認や、新規タンパクについてELISAの追加測定も完了したため学内の知財管理部門とも連携し知財性が確認できたため、2023.1.31に特許出願を行った(特許出願 2023-13619, 糸球体腎炎の活動性炎症病変および腎臓間質の線維化病態を呈する腎症における慢性病変を判定するための尿タンパクマーカー、判定方法、並びに判定キット)。R5年度は医学生物学研究所に対し体外診断薬としてのプロトタイプ作成、特許申請費用の分担を含めた相談を行ったが、現状の検証コホート数やガイドライン記載状況などを総合的に勘案したところ時期尚早との判断であり引き続きデータ拡充を行っていく方針とした。並行して追加解析と論文作成とSubmitを行い、リウマチ・膠原病領域のトップジャーナルにUnder reviewとなっている。
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