自己炎症性疾患における新規自己抗体の検出および臨床応用を目的に、東海大学リウマチ内科を受診した膠原病疾患症例および健常コントロール群の血清 を 同意の上で集積を行い、2020年度以降延べ500検体数を集積・解析した。集積した血清を用いて、[35S]メチオニン標識したHeLα細胞を用いた蛋白免疫沈降法 によって既知および新規自己抗体の検出を行った。申請者は、Transcription factor SP4を対応抗原とする筋炎特異的自己抗体を申請者は見出し、論文にて報告 を行った(Ann Rheum Dis . 2023;82:246-252.)結果を踏まえ、本邦における同自己抗体の特異性、検出頻度や臨床像について、対応蛋白質を用いてELISA法を 確立し解析を行い日本リウマチ学会総会にて発表を行った。 また、adipose-derived stem cell を用いた変形性膝関節症症例に対する再生医療において、治療経過中に発熱を伴う投与部位の関節疼痛腫脹を高頻度に認め、膠原病に非常に類似した症状を呈することを見出し、何らかの免疫応答が作用している可能性が強く考えられたことから、今回使用している手法である[35S]メチオニン標識したHeK細胞を用いた蛋白免疫 沈降法によって既知および新規自己抗体の検出を行った。その結果、膠原病症状を呈した患者から採取した滑膜液中に高頻度に共通する沈降蛋白質を認め、蛋白 解析を行い得られた候補蛋白から対応蛋白質がHistoneH2Bであることを同定し論文投稿(Regenerative Therapy 24 (2023) 147-153)を行うとともに学会発表を行った(ORS2023、No.1057)。
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