研究課題/領域番号 |
20K17476
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
加藤 稚子 九州大学, 大学病院, 助教 (60870045)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 小児科学 / 感染症学 / 免疫学 / 腫瘍学 |
研究実績の概要 |
結合型肺炎球菌ワクチン(PCV)の接種導入によって、侵襲性肺炎球菌感染症に罹患する小児は激減した一方で、ワクチンを接種したにもかかわらず、免疫応答 が 不十分で侵襲性感染症を発症する症例が存在する。免疫応答が不十分な症例の代表として、免疫不全状態の児が挙げられ、抗がん化学療法後でも原疾患や治療による免疫不全状態が知られており、同様にワクチン接種に対する免疫応答が低下する例が見られる。本研究は抗がん化学療法後の児において、ワクチン接種前後で肺炎球菌特異的IgG・IgM抗体価を測定し有意な上昇が得られるかを観察するとともに、リンパ球サブセットの詳細な解析(特にメモリーT、B細胞の解析) を行い、低応答例における宿主側の要因の特定を行う。また、16S ribosomal RNA遺伝子を利用した上気 道細菌叢の網羅的解析を行うことで、細菌側要因の特定を行うことを目的にしている。 令和4年度も引き続き、対象症例数を増やし、対象となる症例から採取した血液検体を用いて、リンパ球サブセット解析および肺炎球菌特異的抗体価の測定を行った。抗がん化学療法後の症例は、リンパ球サブセット解析において、メモリーT細胞数の明らかな減少はないが、メモリーB細胞数の減少を認めた。また、肺炎球菌特異的抗体価がIgGおよびIgMともに有意に低値であり、治療によって肺炎球菌特異的抗体価が低下していると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象が希少症例であり、同意の得られた症例数が少なくやや遅れていたが、今年度は対象症例を増やすことができている。 また、 PCV13接種後の解析がまだ十分に行えていない。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き対象症例を増やしていく。 現時点で解析できているデータに加え、蓄積したデータの解析を行い、得られた結果の解釈を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は対象症例リクルートを行い、検体採取と一部の解析を進めた。ELISAやDNAシークエンス等は経費削減のためにも検体数が一定数に達した後に行う予定としており、来年度にまとめて施行する予定であり、今年度に購入しなかったため未使用額が生じた。 また、旅費に関しては会議やミーティングがCOVID-19の影響で一部WEBに切り替わっているが、その分通信費や文具等が追加で必要になっており、来年度も同様にこれらが必要となる予定 である。
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