本研究では、マウスACTH産生細胞株であるAtT-20細胞を用いた検討でニューロメジンB受容体拮抗薬PD168368の投与によりACTH産生ならびに腫瘍増殖がいずれも抑制され、さらにサイクリンEの遺伝子発現も抑制を認めた。AtT-20を胸腺無形成マウスの皮下に投与したマウスへのPD168368の投与により血中ACTH、コルチコステロンの低下を認め、生体への投与についても効果を発揮する可能性が示された。ヒトACTH下垂体腺腫細胞では半数の症例でPD168368の投与によりACTH分泌低下を認めた。以上から本検討によりニューロメジンB受容体拮抗薬がクッシング病の新規治療薬となる可能性が示唆された。
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