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2020 年度 実施状況報告書

グルココルチコイド受容体の代謝・概日リズム制御の分子メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K17505
研究機関筑波大学

研究代表者

村山 友樹  筑波大学, 附属病院, 病院講師 (80869248)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードグルココルチコイド / 時計遺伝子 / Nr1d1
研究実績の概要

本研究では、マウス肝臓におけるGRとNr1d1のそれぞれの下流制御遺伝子を網羅的に解析することでGR、Nr1d1の各経路およびGRがNr1d1遺伝子発現を直接制御している意義を解明するとともに、治療薬としてのGCsの副作用軽減に繋がる適切な治療方法の創出を目的としている。さらにGRによるNr1d1抑制経路はその他の臨床上のGCsによる副作用のメカニズムとも密接に関わると想定されるため、GRとNr1d1のそれぞれの下流制御遺伝子の重複と差異を明らかにすることを本研究課題の学術的な問いとしている。
具体的には下記の3段階により進める:
[1]GR・Nr1d1リガンド刺激効果のtranscriptome解析(RNA-seq解析)、[2]GRに拮抗的に作用するNr1d1標的遺伝子の抽出、[3]過剰発現・RNAiによるフェノタイプ解析
予定通り、[1]について研究を進めることができた。GRの合成リガンドであるデキサメタゾンとNr1d1の合成リガンドであるSR9009を用いてそれぞれの投与が下流遺伝子にどのような変化をもたらすのかを検証した。デキサメタゾンとSR9009をそれぞれ単独投与したマウス群と併用投与したマウス群を用意し、各群マウス肝臓よりRNAを抽出し、RNA-seqを行った。次世代シーケンサーを用いたRNAseq解析については、筑波大学医学医療系内のオープンファシリティー所属の専門家による解析体制がすでに整っていたため、解析を依頼した。同時に各群での血中脂質や血糖値、各種ホルモンの測定、肝臓中脂質の測定も実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画としていた3つの項目のうち、1つを終了できたため、おおむね順調と考える。
[1]GR・Nr1d1リガンド刺激効果のtranscriptome解析(RNA-seq解析)
まずGRの合成リガンドであるデキサメタゾンとNr1d1の合成リガンドであるSR9009を単独
投与したマウス群と併用投与したマウス群を用意する。各群マウス肝臓よりRNAサンプルを
採取し、RNA-seq法にて網羅的な遺伝子発現解析を行った。同時に各群での血中脂質や血糖値、各種ホルモンの測定、肝臓中脂質の測定も実施できた。

今後の研究の推進方策

計画としていた[1]を終了できたため、予定通り[2][3]についての研究を進める予定である。具体的には下記の通りである。
[2]GRに拮抗的に作用するNr1d1標的遺伝子の抽出:得られたRNA-seq解析の結果を用いて各群間での遺伝子発現パターンの比較をバイオインフォマティクスツールを活用して行い、GRとNr1d1のそれぞれの下流制御遺伝子の重複と差異を見出し、GRに拮抗的に作用するNr1d1標的遺伝子を抽出する。また各遺伝子の発現qPCR法にてRNA-seqの結果の妥当性と再現性の確認を行う。さらに、これらにより絞り込まれた各遺伝子がGRやNr1d1に直接的に制御されている標的遺伝子であるかの確認を、各遺伝子のプロモーターを用いたルシフェラーゼレポーターアッセイやChIP法を用いて行う。
[3]過剰発現・RNAiによるフェノタイプ解析:上記により絞り込んだ標的遺伝子に対し、アデノウイルスを用いて過剰発現とノックダウンを肝臓で行い、脂質代謝を中心に概日リズムも含めた表現型を明らかにし、GRの作用にどのように介入出来たかを検証する。

次年度使用額が生じた理由

令和3年2月にRNA-seqの再現性の確認実験を行う予定であったが、分析機器の不具合により実験が遂行できず、次年度使用額が生じた。このため、RNA-seqは令和3年度に行うこととし、次年度使用額はその経費に充てることとしたい。

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公開日: 2021-12-27  

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