本研究では迷走神経シグナルによる細胞増殖機構の解明とその治療応用を見据えた基礎実験を行った。まずマウス単離膵島に迷走神経因子を負荷した際の細胞内シグナルを遺伝子発現の網羅的解析にて探索し、候補となる経路を同定した。また生体マウスにおいて、光遺伝学の手法を用いて迷走神経を継続的に活性化したところ、膵β細胞量を増加させることに成功した。またマウス単離膵島に対して、迷走神経因子と同様にG蛋白共役型受容体のリガンドとなる複数の因子を負荷する実験を行い、膵島細胞増殖を誘導するいくつかの因子の組み合わせを見出した。
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