研究課題
研究計画①「Ca2+バイオセンシングマウスの開発による不動化によるCa2+シグナル低下の証明」については、FRETセンサーであるYC3.60を骨格筋特異的に過剰発現し、筋細胞内Ca2+濃度を定量的に評価可能なマウスを作成した。このマウスにギプス固定による不動化処理を行い、二光子顕微鏡で観察したところ、対照側と比較して不動化側で、CFPが増強、YFPが低下し、Ca2+濃度を反映するFRET比は低下した。すなわち、定量的な手法によって、不動化では筋細胞内Ca2+濃度が基底状態以下に低下することを明らかとした。研究計画②「骨格筋特異的急性Ca2+シグナル低下マウスの作成」については、不動化性筋萎縮に関わる責任Ca2+チャネルとして、機械刺激によって開口するCa2+チャネルであるPiezo1を同定した。Piezo1-floxマウスとHSA-Cre-ERT2マウスとの交配により、成獣後に、急性かつ骨格筋特異的にPiezo1を欠損できるマウスを作成したところ、このマウスでは定常状態において、骨格筋Ca2+バイオイメージング法で評価した筋細胞内Ca2+濃度が低下し、筋量減少に加えて、KLF15や筋萎縮関連遺伝子の発現増加が生じたことから、急性のCa2+シグナル遮断によって骨格筋の萎縮が生じることが明らかとなった。
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Journal of Clinical Investigation
巻: - ページ: -
10.1172/JCI154611