本研究成果により、近年注目されている糖尿病治療薬による臓器保護効果の一端を解明することに近づいたと考える。特にSGLT2阻害薬による膵β細胞保護効果については、世界中の研究室から報告されているものの、その機序についてはまだ不明である。本研究計画では、DNAメチル化と遺伝子発現を組み合わせることによって、SGLT2阻害薬の膵β細胞保護効果において直接影響する候補分子の同定を行った。DNAメチル化を合わせて解析することで、さらに再現性の高い候補分子であると考えられる。これらの分子同定はSGLT2阻害薬を糖尿病患者に使用するうえで臓器保護効果の確認にも応用でき、臨床的に非常に意義が高いものである。
|