研究実績の概要 |
結果は、平均年齢は56,7歳、身長はやせ群で高く、体重やBMIは17.6kg/㎡とやせ群で低かったが、標準群においてもBMI20.8kg/㎡と低い傾向であった。75gOGTT検査では、空腹時インスリン値はや せ群で低く、マツダインデックスはやせ群で有意に高い結果であった。また、やせ群では身長や体重、BMIは低かったが、DEXAで測定した体脂肪量、筋肉量も低 く、四肢の筋肉を身長の2乗で除したSMI(Skeletal Muscle Mass Index)も平均5.5㎏/㎡と低かった。握力やバイオデックスで測った利き脚の膝伸展筋力、VO2peakに有意な差は認めなかった。しかしながら、筋力、筋量をサルコペニア基準に当てはめてみると、痩せ群97人中、握力18kg未満の人が11%、DEXAでの筋肉量でSMIが5.4未満の人が37%存在し、握力、筋肉量の両方が基準値未満である人は8%と標準群(1%)に比べてやせ群で有意に高い割合であった。また、体重 やBMIに差はないにもかかわらず、筋肉量、筋力共に骨粗鬆症者で低下し、より筋肉量低下と骨粗鬆症は相関していた。結果として、痩せた中高年女性で、Osteosarcopenia(骨粗鬆症を合併したサルコペニア)を多く認め、痩せの中でもより低体重で体脂肪率が高いという特徴を有していた。また75gOGTTで境界型糖尿病と正常型で分けると、境界型糖尿病の群でInsulinogenic indexは境界型糖尿病群で有意に低く(p<0.001)、Disposition indexも有意に低い結果(p<0.001)であった。
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