研究課題/領域番号 |
20K17547
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高橋 一広 筑波大学, 医学医療系, 講師 (80794528)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 生体腎移植 / 糖鎖 / 血液不適合移植 / リツキサン / 免疫寛容 |
研究実績の概要 |
本研究は、血液不適合生体腎移植において、リツキシマブを使用することで、なぜレシピエントに長期の免疫寛容が誘導されるのかを解明することを目的とする。具体的には、リツキシマブ投与前後でCD4細胞、CD8細胞およびB細胞に表出している糖鎖パターンを比較し、リツキシマブ投与前後で違いを認める糖鎖を同定することを2020年度の目標としていた。可能であれば、ラット生体腎腎移植モデルを使用して、同定した糖鎖をレクチンを用いてブロックすることで、免疫寛容の変化について調べる予定であった。しかしながら、2020年初頭より、新型コロナウイルス感染症の猛威となり、日本移植学会からレシピエントの高い死亡率を受けて、当面の生体腎移植を延期すべきとの声明が出された。当施設でも、生体腎移植を2020年4月から停止することになり、7月末まで停止することになった。特に、リツキシマブや血漿交換を併用する血液型不適合移植においては、新型コロナウイルスに罹患すると極めて死亡率が高いことが海外から報告されていることから、血液不適合生体腎移植は全面的に中止することになった。以上の理由から、血液不適合生体腎移植自体が2020年行われなかったため、十分なサンプル数を確保することができず、糖鎖解析まで進むことができなかった。コロナ感染症が落ち着きつつあった11月より血液不適合移植を再開しているが、2020年11月から現在までに血液不適合移植を行えた患者は2名で、サンプル数が不十分であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ感染症により血液型不適合移植を含めて生体腎移植を行うことが延期となった。その影響で、十分なサンプル数を集めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2020年11月より、血液不適合生体腎移植を含めた生体腎移植を再開した。今後も引き続き、患者から血液サンプルを収集し、T細胞、B細胞の分離を行い、年度末にマイクロアレイによる網羅的解析を行う予定である。また、アメリカ移植学会を含む国内外の移植関連学会に参加し、成果を発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年11月より、血液不適合生体腎移植を含めた生体腎移植を再開した。今後も引き続き、患者から血液サンプルを収集し、T細胞、B細胞の分離を行い、年度末にマイクロアレイによる網羅的解析を行い、これを消耗品費に充てる。また、現在オンライン参加可能なアメリカ移植学会を含む国内外の移植関連学会に参加し、成果を発表したり、研究相談を行い、旅費として充てる
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