研究課題/領域番号 |
20K17547
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高橋 一広 筑波大学, 医学医療系, 講師 (80794528)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 免疫寛容 / 制御性T細胞 / CD4T細胞 / B細胞 / リツキシマブ / IL-10 |
研究成果の概要 |
血液型不適合移植で使用するリツキシマブ(Rx)によるB細胞免疫寛容に着目し、Rx後のCD4とCD8の糖鎖変化解析を目的とした。人的要因で糖鎖解析ができなくなり、適合一致症例(N=4)と不適合症例(N=4)で術前(Rx投与前)、術後6か月のCD4とCD8のcoding RNA解析を行った。適合一致と不適合術後のCD4のRNA発現を比較すると、制御性T細胞(Treg)がB細胞活性化に関与するIL-10発現量が不適合移植後に7倍増加していた。Th2とCD8がB細胞活性化に関与するサイトカインに変化はなかった。RxがT細胞を介したB細胞免疫寛容に、TregのIL-10が関与している可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
免疫学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臓器移植の現状において、免疫抑制剤は移植片の生着を得るために必須であるが、免疫抑制剤に多彩な重篤な副作用があり、免疫抑制剤に頼らない免疫抑制療法が模索されている。実臨床では、機序不明の免疫寛容を経験することがあり、リツキシマブ投与後のB細胞に対する免疫寛容はその一例である。本研究では、当初目的とした糖鎖解析の変化を明らかにできなかったが、coding RNAを網羅的に解析し、リツキシマブがT細胞を介したB細胞の免疫寛容に関与する機構として、制御性T細胞のIL-10が関与している可能性が示唆された。本研究は、近年注目されている制御性T細胞による免疫抑制・免疫寛容誘導療法を後押しする結果となった。
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