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2020 年度 実施状況報告書

One-way HLA matchingによる肝移植後GVHDの発症機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K17550
研究機関藤田医科大学

研究代表者

木口 剛造  藤田医科大学, 医学部, 助教 (00740672)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードGVHD / 肝移植 / HLA適合度 / one-way mismatch
研究実績の概要

HLAホモ接合型のドナーから1ハプロタイプを共有するHLAヘテロ接合型レシピエントへの肝移植はDonor dominant one-way HLA matching(DDOM)と呼ばれ肝移植後GVHDのリスクとなる。HLA-A/B/DRの3座でDDOMとなるドナーは除外すべきとされるが、2座のみのDDOMやA/B/C 3座のDDOMでもGVHD発症例はあり、各HLA座との関連を含めその意義は不明である。
今年度は、後方視的臨床研究として、HLA-C/DQ/DP座も含めたDDOMとGVHD発症との相関性について解析した。1990年から2019年までに施行された生体肝移植1,851例のうちHLA型が記録された1,759例を対象に、HLA-A/B/DR 3座のうち1座以上でDDOMを持つ症例を抽出しGVHDとの相関性を解析した。1,759例のうちGVHDを発症したのは4例で、3例がHLA-A/B/DR 3座のDDOMを有し、1例はA/B/C/DP/DQ/DR 全座でmismatchであった。HLA-A/B/DR 3座のうち、1座以上でDDOMを示す例(DDOMを1座持つ症例は残り2座がidentical)は56例あり、HLA-A/B/DR 3座でDDOMを示した6例のうち3例がGVHDを発症した。これら3例のHLA-DP/DQ/DRもまたDDOMであった。HLA-A/B/DRのうち1/2座でのみDDOMを示す50例はいずれもGVHDを発症しなかった。
以上より、HLA-A/B/DR 3座のDDOMがGVHD発症に関連しHLA-C/DQ/DPの関連は小さいことが判明した。しかしA/B/DR 3座のDDOMであってもGVHDを発症しないこと、DDOMと無関係なGVHD発症があることも判明し、新たな発症因子の探索が必要である。引き続き新たな発症因子の探索と動物モデルでの検証を予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

臨床研究の結果が論文としてpublishされた。引き続き、GVHD発症因子の探索と小動物における肝移植モデルでの検証を行っていく予定である。

今後の研究の推進方策

肝移植後GVHD発症要因として、one-way HLA matching以外にHLA適合度が関連する可能性があり、その因子の探索を行うことに加え、動物モデルでの検証を合わせて行っていく。

次年度使用額が生じた理由

HLAタイピングに関わる費用が少なくて済んだ。翌年度以降は、肝移植モデルでの実験を含むため、検体の解析に加え、実験器具、臓器保存液などの薬液の購入も必要になるため、合わせて使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Donor‐dominant one‐way matching of human leukocyte antigen‐A/B/DR alleles predicts graft‐versus‐host disease following living donor liver transplantation2020

    • 著者名/発表者名
      Hirata Masaaki、Yagi Shintaro、Shindo Takero、Yoshizawa Atsushi、Kiguchi Gozo、Kaneshiro Masakatsu、Yurugi Kimiko、Miyachi Yosuke、Iwamura Sena、Yao Siyuan、Uemoto Shinji
    • 雑誌名

      Hepatology Research

      巻: 51 ページ: 135~148

    • DOI

      10.1111/hepr.13579

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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