研究課題
部分切除したブタ腎臓の切断面に脱細胞化骨格を縫着した実験では、Native腎臓側から骨格内に浸潤した細胞群をアイソレーションしてsingle cell RNA-seq解析を行った。現在、データ解析中であるが、これらの浸潤細胞群には腎臓発生過程にみられる遺伝子発現プロファイルを持つ細胞集団が示された。今後は、これらの細胞群のより詳細なプロファイリングを行うため、データ解析や組織学的解析を進める。また、ラット実験においては、脱細胞化骨格ゲルの注入領域にみられた特徴的な構造を示す細胞群の解析を行うため、レーザーマイクロダイセクションやその後のRNA抽出法の検討を行なっている。さらに、関連研究として脱細胞化骨格ゲル内に保持された細胞の生存や遊走、その機能や体内での効果についてまとめた論文を報告した(Kojima H*, Kushige H* et al., 2023, Cell Transplant., *co-first authors)。
3: やや遅れている
所属研究室が変わったことで本研究を進めることがやや困難であったが、single cell RNA-seqのデータ解析や組織学的解析、レーザーマイクロダイセクションやその後のRNA抽出法の検討などを進めている。
次年度は、引き続きブタ実験で得られたsingle cell RNA-seqデータの解析や組織学的解析を進める。また、ラット実験で得られた組織を用い、脱細胞化骨格ゲルの注入領域にみられた特徴的な構造を示す細胞群をレーザーマイクロダイセクションでそれぞれ回収してRNA-seq解析することを検討している。
本研究では、コロナ等の理由による遅れおよび他研究室への移動(所属先の状況が変わった為)に伴う遅れにより、期間を延長して次年度も引き続きデータ解析や実験を行うこととした。次年度は、ブタ実験およびラット実験から得られたデータや組織を用いて脱細胞化骨格へ浸潤する細胞群のプロファイリングを行う予定である。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Cell Transplantation
巻: 32 ページ: 1-14
10.1177/09636897231170437