研究実績の概要 |
BW 27Kg - 32KgのF1ブタを用い,心拍動下に肝臓摘出をする心拍動群(Heart-beating;HB群 N=6),および20分の心停止下に肝臓を摘出する心停止群(Donation after cardiac death;DCD群 N=4)の2群に関し検討を行った.いずれも肝臓摘出後は2時間の冷保存後,灌流装置を用い120分の室温酸素化灌流を行った.灌流圧は動脈圧 70mmHg,門脈圧 20mmHgとし,灌流液はKrebs-Henseleit液を用いた 胆汁産生量は30minにおいてHB群がDCD群に比べ有意差をもって多かった(17.87±8.80 vs.4.91±2.54,P=0.03)ものの,60min,90min,120minでは有意差を認めなかった.また胆汁産生量は30min(12.68 ±9.85),60min(23.47 ±28.24),90min(31.21±34.19),120min(26.98±22.93)と90min でピークを迎える傾向にあることがわかった.また灌流液中のAST,ALT,LDHは30min,60min,90min,120minとすべてにおいてAST(P=0.029, 0.0073, 0.030, 0.030),ALT(P=0.032,0.015,0.0033,0.034),LDH(P=0.022,0.0034,0.017,0.018)とDCD群で有意差をもって高値であったものの,時間当たりの変化率ではいずれも両群間で有意差を認めなった. また組織評価では微小循環の評価として類洞開存度を検討し,アポトーシス検出目的にTUNEL染色を行い,陽性細胞数を検証した.類洞開存度およびTUNEL陽性細胞数において,DCD群は90minでHB群と有意な差を認めなかった。
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