(1)研究開始当初の背景:肝移植は確立された治療法であるが,臓器提供者(ドナー)不足が問題となっている.(2)研究の目的:移植適応境界領域である心停止ドナー肝を用いた酸素化灌流プロトコールとリアルタイム臓器評価法を確立し,臨床応用可能な灌流装置の開発とドナー不足解消を目的とした.(3)研究の方法:ブタを用い,心拍動下,あるいは心停止下に摘出した肝臓に酸素化灌流を行い検討した.(4)研究成果:室温酸素化灌流を行うことで臓器ならびに肝細胞の維持が可能であることが示唆された.新規灌流装置は灌流圧等のモニタリングが可能であり,移植可能限界にあるグラフトの評価法の確立につながる可能性が期待される.
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