研究課題
若手研究
肝移植後早期のエベロリムス(EVR)の導入が移植後のアウトカムに与える影響をラット肝移植モデルを用いて検討した。部分肝移植直後から EVRとタクロリムス(TAC)を導入すると肝再生が遅延し、拒絶と感染症を共に抑制できず生存率が低下した。全肝移植直後からEVRとTACを導入しても生存に影響しなかった。生体肝移植直後からEVRを導入する場合は、移植前にサイズの大きなグラフトを選択するとともに、移植後の綿密なEVRとTACの投与量調整が必要である。
移植外科
本結果により、実臨床において生体部分肝移植直後からエベロリムス(EVR)を導入する際に注意が必要であることが明らかとなった。同時に脳死全肝移植直後からのEVRの導入の臨床応用の可能性も明らかとなった。また、肝再生を抑制する薬物を投与した場合の部分肝移植後の転帰も示され今後の肝移植後の肝再生研究の参考となる。結果として肝移植後の免疫抑制戦略の発展に寄与するところが多い。