研究課題/領域番号 |
20K17593
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
武田 昌寛 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (50806164)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ヒルシュスプルング病 / 腸管神経 / 腸管免疫 / 肛門解剖 / anorectal line / 直腸粘膜生検 |
研究成果の概要 |
本研究は発生過程における神経系と免疫系の相互ワイヤリングに着目し、1)ヒルシュスプルング病(以下H病)の腸管組織透明化による三次元イメージング法の構築、2)H病におけるM細胞の形態学的観察、3)腸管神経末端における解剖学的検証に焦点をあて検証を行った。 H病マウスにおけるパイエル板は胎生期から出生7日までの期間いずれも極めて発達が未熟であり、形態学的観察が困難と結論付けた。また腸管神経系の解剖学的検証においては、ヒト検体を用い肛門部における腸管神経最末端の評価を行った。その結果、anorectal lineが腸管神経最終末端の基準線であることを確認し、新たな直腸粘膜生検法を確立するに至った。
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自由記述の分野 |
小児外科
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により報告した新たな直腸粘膜生検法は、神経系および肛門解剖に基づいた新たな手法である。特に本手法は、ヒルシュスプルング病の病巣である無神経節腸管の肛門側の末端がどこまでかという、病態解明にも直結しており、ヒルシュスプルング病の診断および病態の観点から学術的に有意義な研究成果であったと考えられる。更に病巣の範囲を明確に特定することで、これまで術後合併症として扱われてきた内肛門括約筋アカラジアの存在および解明にも将来的に貢献できると考えられる。また本手法の採用により、これまで世界的にも診断方法が多岐にわたるヒルシュスプルング病において、診断率の向上が期待されることが社会的意義である。
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