本研究は、輸血用血小板製剤中の血小板が肝機能を改善させるメカニズムを解明することを目的としている。まず、保管血小板の血小板機能や表面マーカーなどの経時変化を解析したところ、脱シアル化血小板が経時的に増加することを見出した。さらに、脱シアル化血小板がヒト肝癌細胞由来株である HepG2 細胞に及ぼす影響を検討したところ、脱シアル化血小板添加により HepG2 細胞の増殖が促進され、HepG2 細胞内の ERK1/2 や p38 MAPK がリン酸化された。これらの結果より、脱シアル化血小板は肝細胞の増殖促進作用をもつ可能性が示唆された。
|