研究課題/領域番号 |
20K17612
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡田 倫明 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (40848206)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 排便機能 / 低位前方切除後症候群 / 骨盤解剖 / AI / 3次元構築 |
研究成果の概要 |
直腸癌手術後に起こる排便機能障害に関する研究を行った。肛門周囲臓器の定量評価を行うために、MRI画像からAI技術を用いて骨盤周囲筋肉を3次元構築し解析できるソフト開発を行った。11個臓器をAI技術を用いて自動抽出できるモデルを作成した。臓器抽出に8時間かかった作業が5分で作成することができた。このモデルを使って加齢と肛門周囲筋肉の体積を比較すると、加齢により肛門挙筋や尾骨筋の体積が減少する傾向にあった。直腸癌患者の術後排便機能の調査においては、術後6ヶ月が最も悪化しており、その後は徐々に改善した。直腸切離位置が低いと排便機能を悪化させ、術前化学療法は術後排便機能の増悪因子でなかった。
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自由記述の分野 |
大腸(結腸/直腸)疾患の外科学と解剖学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨盤MRI画像からAI技術を用いて骨盤周囲筋肉を3次元構築し解析できるソフトウェアの開発を行った。境界の不明瞭な肛門周囲の筋肉を自動抽出する技術は前例がなく、肛門周囲の筋肉を定量評価できるツールとして意義のある成果である。今後は本モデルを使って肛門周囲の構造解析や機能との関連性を比較することで排便機能解析に重要なツールとなると考える。近年、直腸癌の術前治療として放射線治療を組み合わせた治療が普及しているが、排便機能の悪化が示唆されている。本研究では化学療法は排便機能の悪化因子にはならないことが示唆され、根治性と機能温存の両立できる治療として提案される可能性がある。
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