研究課題/領域番号 |
20K17620
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
松井 洋人 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (60780781)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 膵癌 / がん微小環境 / バイオマーカー / 癌免疫 / 抑制性免疫 |
研究実績の概要 |
今年度は、癌と免疫療法及び免疫抑制に関する解析を中心に研究し、その成果を学会発表及び論文として発表した。また、過去の膵癌切除症例などのデータの収集を中心として行った。
1. 癌に対する免疫治療の効果と抑制性免疫の関係に関しての論文は"Cancer Immunology, Immunotherapy"(2021, 70.4: 945-957)に掲載された。この発表及び論文では癌免疫療法の効果に抑制性免疫、とりわけMDSCが関与している可能性が示された。
2. 膵癌微小環境における抑制性免疫に関しては過去20年分の膵癌切除症例の臨床病理学的データの収集を完了した。これらのデータに加え今後、切除標本及び患者末梢血より得られた末梢血単核球などをもとに予後因子や治療効果予測因子、遺伝子学的な特徴を検索していく。それに先駆け、まずはこの約20年分のデータに加え山口県内の多施設における後ろ向き観察研究を行い臨床学的な予後因子などを探索し学会発表や論文を執筆する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
癌と免疫療法及び免疫抑制に関する研究の基礎的な解析に時間を要した。また、約20年間の膵癌の臨床データを収集するにあたり過去の症例に関しては現在の電子カルテベースではなく、紙ベースでの記録であり欠損しているデータも多々見られたため、それらのデータを可及的に検索するなどしたため、進行が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
臨床病理学的データに関しては収集が得られている。令和3年度においてIL13Raサブユニットによる切除標本を用いた免疫染色、qPCRによる定量などを行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19感染症流行に伴い頻回な業者の出入り、コンタクトなどを避けるため、物品の購入を手控えた。また、同様の理由で学会や会議等の出張などが少なくなり未使用額が生じた。この未使用額については令和3年度の研究費と合わせてPCR解析等に用いる消耗品の購入に充てる。
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