組織微小環境の解明のため、コンポーネントの1つである癌関連線維芽細胞量と膵癌分化度の関連を調べたところ、ヒト膵癌オルガノイドを用いた実験で、腫瘍分化度が高いほど周囲のCAFが多いことを確認し、微小環境因子を介した癌の増殖に寄与している可能性を示唆する結果を得た。網羅的遺伝子発現解析で、分化度が高いほどmevalonate経路を中心としたcholesterol synthesis関連遺伝子の発現が増加していた。 分化度が異なる膵癌オルガノイドにHMG-CoA還元酵素阻害剤であるsimvastatinを投与すると, 高分化膵癌オルガノイドにおいて低分化より有意に増殖能が抑制することを確認した。
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