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2022 年度 実績報告書

肥満予防に向けた胃に発現するTRPチャネルと食欲との関連解析

研究課題

研究課題/領域番号 20K17624
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

早川 俊輔  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (40842381)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードグレリン / TRPV4 / 胃 / 伸展
研究実績の概要

肥満症は生命予後を著しく損なうことから健康上の大きな問題である.そのため,より効果的な治療薬の開発は急務である.我々は胃底腺に存在する伸展刺激に反応するTRPV4というカチオンチャネルに着目した.TRPV4はマウスの胃上皮に存在し,伸展刺激を受けてATPの遊離など様々な役割を果たしていることが示されている.ヒトに関しては胃上皮でも細胞株においてTRPV4が発現していることが示されているが組織標本を用いた検証は我々の知る限りは未だ行なわれていない.伸展刺激がTRPV4に作用し,食欲増進ホルモンであるGhrelinの分泌を調整し,食欲を制御するという仮説を立て,検証を行った.まず,62症例の胃切除検体のTRPV4に対する免疫染色を行い,発現量を肥満症例(BMI≧30)と非肥満症例(BMI<30)で比較を行った.穹窿部大彎を除くすべての部位で肥満症例において有意にTRPV4の発現量が多かった.そこでTRPV4がGhrelin分泌にどのような影響を与えるかを調べる目的で,マウス由来グレリン産生細胞株であるMGN3-1細胞を使用して細胞実験を行った.MGN3-1細胞に対するTRPV4作動薬の投与で細胞内Ca濃度が上昇しGhrelin分泌量が増加すること,作動薬と阻害薬の投与で細胞内Ca濃度が低下しGhrelin分泌量が低下することを確認した.また,MGN3-1細胞に120%の伸展刺激を与えると,Ghrelin分泌量が有意に増加した.TRPV4阻害薬を加えて伸展刺激を加えてもGhrelin分泌量は増加しなかった.
以上より,胃に存在するTRPV4は伸展刺激を受けてGhrelin分泌を調整し,体重に影響を与える可能性がある。TRPV4は食欲調整を目的とする薬剤の標的となる可能性がある.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Potential Role of TRPV4 in Stretch-Induced Ghrelin Secretion and Obesity2022

    • 著者名/発表者名
      Hayakawa Shunsuke、Tanaka Tatsuya、Ogawa Ryo、Ito Sunao、Ueno Shuhei、Koyama Hiroyuki、Tomotaka Okubo、Sagawa Hiroyuki、Tanaka Tomohiro、Iwakura Hiroshi、Takahashi Hiroki、Matsuo Yoichi、Mitsui Akira、Kimura Masahiro、Takahashi Satoru、Takiguchi Shuji
    • 雑誌名

      International Journal of Endocrinology

      巻: 2022 ページ: 1~10

    • DOI

      10.1155/2022/7241275

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 胃におけるTRPVチャネルによるGhrelin分泌機構の解明2022

    • 著者名/発表者名
      早川 俊輔,田中達也, 小川了,小山博之,山田悠史, 川瀬弘多郎,青谷大介,齋藤正樹,伊藤直, 上野修平,大久保友貴,佐川弘之,高橋広城, 松尾洋一,田中智洋,瀧口修司
    • 学会等名
      第40回日本肥満症治療学会学術集会

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公開日: 2023-12-25  

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