研究課題/領域番号 |
20K17625
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
三木 友一朗 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (50866697)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | エクソソーム / miRNA |
研究実績の概要 |
CAFエクソソーム内のmiRNAアレイからのpathway enrichment analysisにおいて、有意な因子であったHippo pathwayと胃癌との関連について検討を進めた。特定のmiRNAについては各種線維芽細胞を用いてvalidationを行った。 細胞株レベルでは、intestinal typeのMKN74においてtotal YAPにおけるphospho YAPの割合が高く、逆にスキルスタイプの細胞株であるNUGC3において、phospho YAPの発現割合が低いことがWestern blottingにおいて確認された。 Hippo pathwayの最終的なeffectorであるYAPはintestinal typeでは細胞質優位に、diffuse typeでは核優位の染色パターンを示していた。先述の細胞株における実験から考察すると、intestinal typeの胃癌においてYAPのリン酸化はより多く行われており、それに伴いYAPの核への移行が乏しい可能性があると考えられた。一方で、diffuse typeにおいてはYAPの核への移行割合が高いと考えられた。 またスキルス胃癌を含むType 4症例においては、核優位のYAP陽性症例は、その他の症例と比較して有意に予後不良であることが示された。 上記結果は、スキルス胃癌において、CaFエクソソームmiRNAが細胞内シグナル、特にHippo pathwayに関わっていることを証明する一つの結果と考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Step4として設定していた、Hippo pathwayに関わる分子の臨床病理学的意義について、解析を進めた。結果としてHippo pathwayの最終effectorであるYAPのスキルス胃癌における意義を解明した。 Step1-2のスキルス胃癌由来のCAFからのエクソソームmiRNAの同定も進め、in vitroでの解析も並行して進めている。in vivoにおける検討は未だ行っていないが、計画は概ね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
Step1-2におけるin vitroの検討を進めると同時に、Step5で想定している、患者検体の集積も進めていく必要があると考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、学会がWEB開催であったこともあり、使用額が予定よりも少なくなったと考えております。来年度以降のmiRNAを細胞株へ導入する実験、in vivoでの症例集積に要する費用などに使用する計画です。
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