膵癌は依然として根治切除が唯一治癒へ導く手段であるが、根治切除後も80%以上で再発が確認され、切除後の高い癌細胞の遺残が考えられている。本研究では、遺残する動脈周囲神経叢に術中に、根治切除に加え追加治療が可能な新しい治療法の開発を目指した。我々が同定した膵癌糖鎖を標的としたがん治療法に光免疫療法の融合により、光を照射した部位に殺細胞効果が発揮される可能性がある新しい手法の可能性が見えてきた。今後、すでに臨床応用されている薬剤とレクチンとの融合により、より安全な治療法開発を継続する。本治療が可能となれば、膵癌の外科切除に加えてより強力な治療を加えることが可能となり、根治性が高まると考えている。
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