研究課題/領域番号 |
20K17640
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
佐藤 菜実 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (40867272)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 大腸癌 / 肝転移 / Smurf2 / YY1 |
研究実績の概要 |
2020年度までの研究では、免疫染色においてYY1高発現群は有意に予後良好でありYY1は腫瘍抑制的な働きをしていることが示唆された。また、YY1とSmurf2のタンパク発現について免疫染色とWestern blotで検証したが、有意な相関は認めなかった。 2021年度は、in vitroの実験を行い、①YY1とEMTとの相関およ②YY1をmodulateすることで細胞機能に及ぼす影響について検討した。 ①大腸癌原発巣の細胞株であるDLD-1とSW48において、YY1をknock downした。Snail、E-cadherin、N-cadherin、Vimentinの発現をWestern blotにて検証したが、いずれも発現に有意差はなくEMTとの関連性は低いと考えられた。 ②同細胞株においてYY1をknock downし、Proliferation assay、Migration assay、Invasion assayを行った。細胞増殖能に有意差はなかったが、遊走能と浸潤能はYY1 knock downにより有意に促進されることがDLD-1、SW48の両方で確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
仮説と反する結果ではあるが臨床的に重要と考えられるデータが得られており、研究は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度に得られたデータをさらに追究する必要がある。今後はYY1の下流で働く分子について検証すべく追加の実験計画を立てる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は免疫染色や細胞実験など、すでに研究室が所有している物品での実験が多かった。実験の進捗も順調だったため、経費が抑えられた可能性がある。そのほか特に大きな理由はなく、来年度に繰り越して使用する予定である。
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