腫瘍微小環境の形成は腫瘍細胞のみならず、様々な免疫細胞や間質細胞による。その中で骨髄由来抑制細胞(MDSC: Myeloid-derived suppressor cells)は、抑制性免疫細胞であり、腫瘍微小環境の構築に関与している。一方、腹膜播種に関する報告は少なく、検討は未だ十分とは言えない。そこで大腸癌腹膜播種マウスモデルを作成し、腹腔内MDSCの動態を解析し、腹膜播種の病勢への関与を検討した。結果、MC38の腹腔内投与後、腹腔内のMDSCは病勢の進行とともに増加した。腹腔内では特にPMN-MDSCの割合が増加した。抗Ly6G抗体によるMDSC消失試験では、腫瘍進行を抑制させた。
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