大腸癌細胞の細胞増殖を正に制御するSNX9依存的に輸送される膜タンパク質を同定するために、細胞膜タンパク質のビオチン化ラベル実験を行った。質量分析を用いてビオチン化細胞膜タンパク質をコントロール群とSNX9発現抑制群とで比較した。その結果、残念ながら、SNX9発現抑制下で細胞膜上での存在量が大きく変化する膜タンパク質は同定できなかった。そこで、近傍ビオチン化酵素AirIDをSNX9に結合させて細胞に発現させて、SNX9の近傍タンパク質を同定する実験を計画する事にした。今回は研究計画を停止するが、研究を再開できるような環境が整い次第、当該実験を推進する。 また、アルファスクリーンを用いてSNX9結合タンパク質を同定する実験に関しては、SNX9全長及び、各種ドメイン欠損体のビオチン化タンパク質をコムギ無細胞タンパク質合成系で合成する事に成功した。結合タンパク質スクリーニングに十分な量のタンパク質の合成を確認している。今後は、ユビキチンリガーゼに特化したヒトプロテインアレイを用いたSNX9結合タンパク質探索を行う。今回は研究計画を停止するが、研究を再開できるような環境が整い次第、当該スクリーニングを推進する。
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