大腸癌細胞株より癌幹細胞を分離し、遺伝子発現の特徴について網羅的遺伝子解析法で解析を行った。結果として、電位依存性に開閉、カルシウムイオンが透過するVGCCが高発現していた。低浸透圧刺激による細胞の容積変化にもVGCCは関与するため、低浸透圧刺激を加えて容積や生存性の評価を行うと、細胞の容積増大が抑制されており、結果として低浸透圧刺激を与えた際の生存性が高いことがわかった。さらに、低浸透圧に加えイオン輸送体の阻害剤を併用すると、カリウム、水チャネル阻害剤が強く低浸透圧による容積増大を抑制することがわかった。癌幹細胞のVGCCや、低浸透圧刺激療法は有効な可能性があり、さらなる研究が必要である。
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