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2020 年度 実施状況報告書

大腸癌における癌関連線維芽細胞に基づく抗がん剤治療効果予測システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K17662
研究機関獨協医科大学

研究代表者

清水 崇行  獨協医科大学, 医学部, 助教 (50622198)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードがん関連線維芽細胞 / 大腸癌
研究実績の概要

がん関連線維芽細胞の抗がん剤反応性の個体差が、治療の個別化に有用であるかを検証した。
当科で手術した大腸癌の手術検体から、がん関連線維芽細胞を分離培養した。分離培養したがん関連線維芽細胞にフルオロウラシルまたはシスプラチンを投与した培養液でそれぞれ37度3日間培養した後、がん関連線維芽細胞の細胞表面マーカーであるCXCL-8、CXCL-12、VEGF-A、PDGF-A、IL-6、TGF-B1を定量PCRで測定した。
2020年度では6症例の大腸癌手術検体を分離培養し、抗がん剤に対する反応性を確認した。6症例はフルオロウラシルとシスプラチンを投与すると、多様な細胞表面マーカーの反応性を示しており、がん関連線維芽細胞の抗がん剤に対する反応性の個体差を確認した。6症例において、フルオロウラシルを投与するとがん関連線維芽細胞におけるVEGF-A発現が有意に上昇する傾向と、シスプラチンを投与するとがん関連線維芽細胞におけるCXCL-12発現が有意に上昇する傾向を認めた。一方、CXCL-8、PDGF-A、IL-6、TGF-B1も一定の傾向は認めないもの、がん関連線維芽細胞の抗がん剤反応性の個体差を認めていた。
大腸癌がん関連線維芽細胞の抗がん剤に対する反応の個体差を確認することができた。抗がん剤投与によるがん関連線維芽細胞における特定の細胞表面マーカーの発現上昇から、がん関連線維芽細胞を治療標的とした抗がん剤治療の可能性が示唆され、さらなる症例の蓄積が必要であると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

手術検体からがん関連線維芽細胞を培養して、定量PCRを安定して施行できるようになっている。手術検体も予定通り培養しており、2021年4月までに17症例の手術検体からがん関連線維芽細胞を培養している。本研究の結果を2021年度の日本消化器関連学会週間で発表する予定である。

今後の研究の推進方策

2021年度は、培養する手術症例をさらに増やしていくと共に、2020年度に採取および培養したがん関連線維芽細胞に抗がん剤であるフルオロウラシルまたはシスプラチンを投与する培養株も増やしていく。抗がん剤投与後の細胞表面マーカーであるCXCL-8、CXCL-12、VEGF-A、PDGF-A、IL-6、TGF-B1の変化を定量PCRで測定し、がん関連線維芽細胞の抗がん剤反応性の個体差を検証していく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 大腸癌における癌関連線維芽細胞に基づく抗がん剤治療効果予測システムの開発2021

    • 著者名/発表者名
      清水崇行、井上健一、秋元一三、石塚満、青木琢、窪田敬一
    • 学会等名
      第29回日本消化器関連学会週間

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公開日: 2021-12-27  

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