研究課題/領域番号 |
20K17665
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
白井 祥睦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10785364)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 膵臓癌 / オートファジー / Lysosome酵素 / マイトファジー / 酸性αグルコシダーゼ / 酸性セラミダーゼ / グルコセレブロシダーゼ |
研究成果の概要 |
膵臓癌細胞を用いて代謝が活性化するLysosome酵素を網羅的に解析し、標的酵素として糖代謝に関与する酸性αグルコシダーゼ(GAA)、スフィンゴリン脂質代謝に関与するグルコセレブロシダーゼ(GBA)、酸性セラミダーゼ(AC)を特定した。それぞれの酵素を標的とした遺伝子治療法を開発し、細胞レベル、動物実験レベルにおいて抗腫瘍効果を検証した。それぞれの酵素阻害により細胞増殖抑制効果を認めた。マウス皮下腫瘍モデルにおいてウイルスベクターを用いて腫瘍増殖抑制効果を認めた。また生存率延長を認めた。siRNA法を用いてGBAを阻害し、膵癌細胞のアポトーシス誘導、オートファジー阻害を確認した。
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自由記述の分野 |
消化器外科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
切除不能膵臓癌には塩酸ゲムシタビンを中心とした化学療法が適応されている。生存期間中央値は7-9カ月と予後不良であり、抗癌剤耐性を示す症例に対する新たな治療法の開発が必要である。我々は癌の悪性化や代謝に関与するオートファジー機構の実態であるライソゾーム酵素に着目し、細胞内の要求が上昇する酵素群を特定し、特定されたGAA、AC、GBAを阻害することで癌細胞の増殖抑制効果が得られることを確認した。癌細胞内の代謝機構を培養細胞および動物実験モデルで明らかにした。当該研究の結果は将来的に抗癌剤耐性を改善させ、膵臓癌治療の奏功率を大きく改善させる可能性がある。
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