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2020 年度 実施状況報告書

スフィンゴ脂質代謝制御による新規大腸癌治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K17666
研究機関金沢医科大学

研究代表者

藤井 頼孝  金沢医科大学, 医学部, 助教 (20783880)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードセラミド / スフィンゴミエリン / 大腸癌
研究実績の概要

細胞形質膜を構成するスフィンゴ脂質の一つであるセラミドは、シグナル伝達分子として細胞内でのアポトーシスやオートファジー誘導に関わることが知られている。申請者の研究グループは、セラミドとホスファチジルコリンからスフィンゴミエリン (SM) を合成するSM合成酵素2 (SMS2)の欠損マウスでは、炎症性大腸発癌モデルでの発癌率が抑制されることを明らかにし、これはSMS2欠損によるセラミドの蓄積であることが示唆された。一方、大腸における遺伝子変異の蓄積による多段階発癌でのスフィンゴ脂質量や関連酵素活性の変化はよくわかっていないため、本研究の目的としては、大腸特異的APC欠損マウス、及びヒト大腸癌部位の大腸癌組織を用いてセラミド量、SMS2活性の変化と発癌の関係を明らかにし、またSMS2-KOによる癌増殖抑制作用を明らかにすることである。そのために、大腸における多段階発癌経路であるAdenoma-carcinoma sequenceによる大腸癌のスフィンゴ脂質量や関連酵素活性の変化をヒト大腸癌、及び大腸癌自然発生モデルマウス(CDX2P-NLS-Cre, APC+/flox)で解析を行い、さらにCDX2P-NLS-Cre, APC+/flox とSMS2欠損マウスを交配し、SMS2KOによるアポトーシス亢進や炎症抑制作用が大腸癌の自然発癌に関与するかどうかを明らかにする。現在、最初の目的である大腸癌自然発生モデルマウスでの発がん確認と生存曲線の確認を行っている。今後は、大腸癌自然発生モデルマウスにおける腫瘍免疫の解析を行うため、フローサイトメトリーにて大腸内のヘルパーT細胞、細胞毒性T細胞、ナチュラルキラー細胞等の免疫細胞数や割合を測定していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

大腸癌自然発生モデルマウスの解析のタイミングを確かめるため、生存曲線を作成することとした。発がんまでに長期間(約300日)を要するため、大腸における多段階発癌経路であるAdenoma-carcinoma sequenceによる大腸癌のスフィンゴ脂質量や関連酵素活性の変化の解析には至っていない。

今後の研究の推進方策

SMS2欠損の大腸癌自然発生モデルマウスの作製、解析には発がんまでの期間(約300日)を考慮すると遂行が困難と考えられるため、SMS阻害剤(D609:市販されている)による発がん抑制の計画を優先する。

次年度使用額が生じた理由

発がんまでに時間を要したため、解析の道具の消費が少なく、消耗品の購入がなかったため、使用額に残が生じた。今後は解析に対する抗体や消耗品等の購入に使用する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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